ミンコタアイパイロット、ミンコタ部品販売の専門店EASTLAND MARINE Ltd.,Co.


モーター本体の艤装配線(配線方法の検討)


★スマートフォン対応ですが、スマホ機種により配線図などの画像が歪む場合がございます。その場合、横長画面で閲覧頂くか、PDFダウンロードをご利用下さい。

この項目は、ボート側の艤装配線に関する内容です。故障のお問合せや修理の際、ボート側のバッテリー、配線、使用機器等に起因するトラブルが非常に多いのが現状です。最適な配線、端子加工、防水処理を施工して下さい。

モーター本体の船体への取付は、みんこたふりーく別館〔モーター本体の取付〕をご参照下さい。

御使用頂く上での注意点や推奨事項に関しては、みんこたふりーく別館〔末永くお使い頂く為に〕をご参照下さい。

1.配線の太さ

ミンコタトローリングモーターは、電圧低下によりヘッド回転、暴走、停止等の誤作動が発生し易くなるばかりでなく、故障の原因となります。配線全長が大きくなるのに反比例して電圧は徐々低下して行きます。必ず艤装配線全長にあった太さの電線を御用意下さい。

EASTLAND MARINE基準 距離別×ケーブル径別降下電圧一覧表はコチラ

パワー別メーカー推奨ケーブル径
モーター電圧と馬力
最大
電流
配線全長
1.5m 3.0m 4.5m 6.0m 7.5m
12V 55ポンド 50A 8AWG
8.0sq
6AWG
14sq
4AWG
22sq
4AWG
22sq
2AWG
38sq
24V 70ポンド 42A 10AWG
5.5sq
10AWG
5.5sq
8AWG
8sq
8AWG
8sq
6AWG
14sq
24V 80ポンド 56A 8AWG
8sq
8AWG
8sq
8AWG
8sq
6AWG
14sq
6AWG
14sq
36V 112ポンド 52A 8AWG
8sq
8AWG
8sq
8AWG
8sq
8AWG
8sq
8AWG
8sq
*上記表の数値を越える太さの電線を使用する場合の弊害は有りません。
*ミンコタ社公示数値より抜粋しております。
*8sqを越える端子の圧着等でお困りの場合は当店迄お問合せ下さい。
*低電圧と過電流の仕組みはコチラを参考にして下さい。
 
2.図解艤装配線例


1)船体全体イメージ


艤装配線する際の参考にして下さい。理想的な艤装例としてセンターバッテリー、オルタネーターチャージャー(エンジン余剰電力充電)を装備した図となっております。メインスイッチ表記を省略しておりますが、直接メインスイッチへ配線すると停泊時/陸置き保管時にメインバッテリーが消耗してしまうので、メインスイッチ又は分電盤(パワーポスト等)下流側へ接続して下さい。メインスイッチの位置に関しては、(2)以降を参考にして下さい。

 

2)艤装配線図


A)オルタネーターチャージャー無しの場合
 
バッテリー使い切り方式の配線図です。海域により、バッテリー持続時間が不足する場合、Bの追加充電方式にする事で改善します。
 
拡大配線図面PDFのダウンロードはコチラより。(又は図面をクリック)
 
B)オルタネーターチャージャー有りの場合
 
メインバッテリーが十分充電されている時に、エンジンのオルタネーターの余剰電力をミンコタモーター用バッテリーへ追加充電する方式の配線図です。釣行時間が長い場合や、風が吹く海域、または、ULTERRA を御使用の場合は必須となるシステムです。

拡大配線図面PDFのダウンロードはコチラより。

 
◆配線図中の機器〔A〕〜〔L〕の解説
 
〔A〕トローリングモーター本体
適切な配線艤装と適切なメンテナンスを継続する事で半永久的に使用可能です。特に電圧低下による誤作動や破損を防ぐ為、ケーブル長に比例した太さ、正しい圧着接続、配線の完全防水が重要となります。
 
〔B〕電源プラグ/オス(マリンコ12VCP、マリンコ12VCPS3等)
毎回の持ち帰りの際、簡単確実に電源ケーブルを着脱出来る様にするコンセントです。特ににオスプラグからの海水、雨水浸入を避けて下さい。3スロット対応の為、マイナス共有で12V/24V同時配線も可能です。
 
〔C〕電源レシ−バー/メス(マリンコ12VCP、マリンコ12VCPS3等)
毎回の持ち帰りの際、簡単確実に電源ケーブルを着脱出来る様にするコンセントです。
 
〔D〕直流用サーキットブレーカー
サーキットブレーカーは、ショートだけでなく、低電圧に陥った際に発生する過電流を遮断する役割も重要です。ミンコタ本体の価格に見合った信頼出来る物を御用意下さい。接続端子は、バッテリー側と電装品側で方向性があるので注意して配線して下さい。
 
〔E〕ミンコタモーター用バッテリー
一般的な自動車用バッテリーではなく、ディープサイクルバッテリーが必要です。また、他の電装品とは共用せず、専用使用して下さい。
 
〔F〕DCサブバッテリーチャージャー
オルタネーターの余剰電力を利用して、ミンコタモーター用バッテリーを充電します。Deploy/Stow操作で一時的に大電力を使用するULTERRAには必須のシステムです。
 
〔G〕中継ポスト
ケーブル径が大きく異なる場合などに、ケーブル同士を接続する為の中継端子です。丸型圧着端子を使用し、ポスト(ボルト状の棒)へ六角ナットで締め込みます。
 
〔H〕直流用サーキットブレーカー
ミンコタモーターとは直接関係無いエリアですが、電源(メインバッテリー)からケーブル敷設する際、電装品トラブル等に備えて設置します。
 
〔J〕ボート側配線ターミナル
ボート側に予め艤装された主電源を分配する端子台です。小型艇やティラー仕様の船外機の場合、設置されていない場合もあります。
 
〔K〕メインスイッチ
ボート側に予め設置された主電源スイッチです。Onにすると船外機のセルモーターが回せる状態(スタンバイ)になります。
 
〔L〕メインバッテリー
ボート側のメインバッテリー(クランキングバッテリー)です。標準サイズよりも不要に大きな物に換装してしまうと、なかなか電圧が上がらず、DCサブバッテリーチャージャーが動作しなくなってしまうので、注意が必要です。メーカー指定の標準サイズを使用して下さい。
 
◆配線図中のケーブル〔1〕〜〔8〕の解説(図中の数字は丸囲み数字)
 
〔1〕RDBK : ミンコタ本体電源ケーブル(パワーケーブル)
モーター本体の電圧制御心臓部であるコントロールボードに直結する赤黒2色(2芯)の電源ケーブルです。海水、雨水を浸透させない様、細心の注意を払って下さい。
 
〔2〕RD : プラス赤ケーブル
バウエリアからミンコタ用電源エリア迄のプラス赤側の最も重要なケーブルの1つです。ブレーカーの『AUX』側に接続します。配線距離に応じた太さのケーブルを使用して下さい。
 
〔3〕BK : マイナス黒ケーブル
バウエリアからミンコタ電源エリア迄のマイナス黒側の最も重要なケーブルの1つです。配線距離に応じた太さのケーブルを使用して下さい。
 
〔4〕RD : プラス赤ケーブル
プラス赤側のブレーカー『BAT』『BATT』側の端子迄のケーブルです。区間は短いですが、通常は前掲〔2〕RDと同じ太さのケーブルを御使用下さい。
 
〔5〕RD : スターン側電源ケーブル/プラス赤
サブバッテリーチャージャーを使用する際に配線するスターンエリアからミンコタ電源エリア迄のプラス赤配線です。
 
〔6〕BK : スターン側電源ケーブル/マイナス黒
サブバッテリーチャージャーを使用する際に配線するスターンエリアからミンコタ電源エリア迄のマイナス黒配線です。
 
〔7〕RD : スターンエリア主電源分岐ブレーカー用ケーブル/プラス赤
ブレーカー設置の場合に必要となる短区間ケーブルです。通常は、〔5〕RDと同じ太さのケーブルを御使用下さい。
 
〔8〕(色指定無) : バッテリー直列接続用ブリッジケーブル
24V機、36V機を使用する際に、12Vバッテリーを直列で複数個接続する際に使用する30〜40cmのケーブルです。14sq、22sqなどの太目のケーブルを使用します。
 

.ミンコタ用電源エリアの検討
 
前掲、(1)船体全体イメージ、(2)艤装配線図 は、ミンコタ用電源エリアをセンターコンソール、センターカディ、キャビンへの設置モデルを示した物です。

配線方法やボートの大きさ等を勘案して、バウ、センター、スターンのいずれかの設置位置を慎重に検討して下さい。

(1)バウバッテリー
バウの重量増は、ボートの走破性を左右するバウ浮力を大きく低下させる為、推奨しておりません。サブバッテリーチャージャーを使用しない12V機の場合に選択可能な設置方法です。慎重に検討して下さい。
メリット  : 配線距離が短い事、配線が単純で簡単である事。
デメリット : アンカーストレッジ利用の場合、海水、雨水に晒され易い事。バウ浮力が低下する事。

(2)センターバッテリー
特定配線のみが長くなり過ぎずに適度な配線長バランス、また、船体重量バランスともに最も優れたパフォーマンスが期待出来る設置方法です。特に密閉室を持ったカディ艇やキャビン艇の場合、防水性が高く、海水、雨水による腐食からバッテリー、配線、端子を守り易く最もお勧めする設置方法です。
メリット  : 配線長バランス、船体重量バランス、防水気密性に優れる事。
デメリット : バウ〜センター区間、センター〜バウ区間の配線に苦労する場合が有る事。
 
(3)スターンバッテリー
ミンコタ用電源配線全長が長くなる事と、船外機艇の場合、スタンヘビィを更に助長する為、お勧め出来ません。配線全長が長くなる為、適切な口径の配線を御使用下さい。
メリット  : サブバッテリーチャージャーを設置する場合、配線がし易い事。
デメリット : スタンヘビィになる事、ミンコタ用電源配線距離が長くなる事。

 
4.艤装配線時の注意事項(必ずお読み下さい
 
全てが必須の重要事項です。文中の青色表記は注意事項、推奨事項を示します。赤色表記は絶対遵守事項、又は、船体、エンジン、機器類の破損、又は、怪我、火傷、死亡など人体に多大な被害をもたらす恐れのある事項です。全ての項目をチェックして頂き、艤装、配線を行って下さい。

(01)配線全般
  • 船体への艤装配線作業は、ショートサーキットによる火災やトローリングモーターの焼損、怪我、火傷等の恐れが有ります。配線作業中は、絶対にバッテリーには接続せずに、十分注意して行って下さい。マイナス側だけ外す事や、ブレーカーを遮断するだけではなく、必ずプラス、マイナスともバッテリーから遮断した状態で行って下さい。
  • トローリングモーターの誤作動、故障等のトラブル原因は、〔本体電源ケーブル〕、〔船体側配線〕、〔船体側機器類〕、〔バッテリー〕起因が殆どです。配線長に適合した口径の配線、正しい工具によるケーブルと端子の圧着、各ケーブル接続箇所の完全な防水処理を行って下さい。
  • 全ての配線は、端子付近の素線露出部分を極力減らし、海水や雨水の付着浸透を避けて下さい。電圧低下の大きな要因となります。
  • モーター本体の電源ケーブルには、絶対に海水、雨水は浸透しない様に施工して下さい。
  • ミンコタ用電源配線には、素線密度が粗い自動車用ジャンピングケーブルや点接続接点となるワニ口クリップは使用出来ません
  • モーター本体の電源ケーブル(5.5sq/約120cm)で足りない場合は、5.5sq/200cm、又は、8.0sq/300cmのケーブルも御用意しております。絶対にお客様側で電線延長(継ぎ足し)はしないで下さい
(02)ブレーカー
  • 大切なアイパイロットユニットを保護する為、信頼出来る直流用サーキットブレーカー(可能であれば防水/マリン用)を使用して下さい。
  • 許容アンペア数の意味合いは、例えば許容電流値50A表記のサーキットブレーカーの場合、『50A流れると遮断する』ではなく、『50A流れる機器迄使用可能』の意味を示します。従って、このページの1.『配線の太さ』の一覧表にあるモーターのポンド(馬力表記)に合わせた許容アンペアを選択して下さい。当店では、55ポンド、80ポンド、112ポンド機で50A、70ポンド機は40Aを推奨しております。
(03)バッテリーと充電
  • バッテリーは一般自動車用バッテリーでは無く、ディープサイクルバッテリーが必要です。
  • ディープサイクルバッテリーの能力を有効に活用する為、AC100Vによる充電時は、必ずディープサイクルバッテリー専用のAC100V充電器をお使い下さい。一般鉛バッテリー用充電器では満充電出来ません。
  • トローリングモーター用バッテリーは、12V機の場合1個、24V機の場合2個を直列繋ぎ、36V機の場合3個を直列繋ぎして使用します。接続時はショートさせない様、十分注意して下さい
  • 24V、36V仕様で複数のバッテリーを用意する場合、新旧の組み合わせは行わず、必ず新しい物を必要個数御用意下さい。1個だけ交換や、特に12Vから24Vへの乗り換え時に1個だけ追加はしないで下さい。
  • バッテリー充電時は、可燃性ガスが発生します。火花等を避け、必ず風通しの良い場所で充電又は設置して下さい。
(04)ソーラーパネルによる充電
ソーラーパネルやその関連機器は、当店では取り扱いしておりません。技術的な内容や取り付け方法や安全上に関わる内容に関しては御購入先へお問合せ下さい。
  • ソーラーパネル充電ではディープサイクルバッテリーの能力を100%活かす事は出来ませんが、昼夜や天候によって充電電圧が変動する点で、ディープサイクルバッテリーの充電に必要な可変電圧充電に類似する事から、オルタネーターチャージャーによる航行充電との併用により、使用には耐えうる充電が可能です。
  • ソーラーパネルによる充電を行う際は、必ずパネルの出力に応じたチャージャーコントローラーを御使用下さい。100W/18Vパネル1枚(12V)の場合で10A、2枚(24V)の場合で20A、3枚の場合で30Aを目安にして下さい。
  • 12V機の場合、100W/18Vパネル1枚、24V機の場合、100W18Vパネル2枚直列、36V機の場合、100W18Vパネル3枚直列を目安にして下さい。
  • ソーラーパネルによる充電を行う際は、直流ブレーカー又はヒューズを御用意下さい。チャージャーコントローラーとバッテリー間の配線を、盗難、イタズラなどで切断された場合、2芯が接触しショートにより、ボート側が火災となる恐れが有ります
 


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