ULTERRAレスキュー(2)【トリムカウントリセット】
ULTERRAの使用中に、以下不具合が発生した場合は、ULTERRAレスキュー(1)【強制STOW】を実施の上、帰港し、係留場所又はマリーナの陸上にて、下記トリムカウントリセット作業を行って下さい。
該当モデル | ULTERRA |
必要工具 | プラスドライバーNo.2、プラスドライバーNo.3、トルクスドライバーT20(2018年秋以降製造ロットのみ必要) ラジオペンチ、六角レンチ9/64サイズ |
必要部品 | 組立時:防水熱圧縮チューブ |
症状例1)電源を入れてDeployを試みるも、全く動かない。
症状例2)電源は入るが、あらゆる操作を受け付けない。
症状例3)電圧低下により、Stow動作途中、Deploy動作途中に停止した。
コントロールボード、チルトモーター、ステアリングモジュール等が原因の場合も有りますが、まずはトリムモジュールが正常かどうかの切り分けを行います。多くの場合は、トリムモジュールのリブカウントリセットやトリムモジュール自体の再インストールにて正常化する為、最初にこの手順を試します。
リブベルトのリンクを外して行う方法もございますが、ここではなるべく分解部分が少ない方法で説明させて頂きます。予め、サイドカバーは両側とも外してから作業して下さい。また、ステアリングモジュールやトリムモジュール周辺に、ケーブル類が挟まっていないか確認の上、作業を行って下さい。
01)トリムモジュールはココです!
黄色の円で囲んだ部分がトリムモジュールです。リブベルトを巻き上げ/送り出す事により、ロワユニットの深さ(上下)を制御しております。 配線が出ていないのは、写真右にあるステアリングモジュールからブラシ接点を通じて電源供給を受けている為です。 |
02)トリムモジュールの上蓋を外す。
スクリューを全て外す。 製造年月によりプラスネジタイプとトルクスネジ(T20サイズ)タイプがあります。 |
03)プーリーテンションリリースナットを緩める。
六角レンチでプーリーテンションリリースナットを緩める。反時計回りに1/4回転程度でリリースされます。 |
04)プーリーの駆動ベルトを反時計回りに回す。
駆動ベルトを矢印の方向へ回転させると、シャフトが少しずつDeploy側へ動きます。 ロワユニットが50cm程度Deploy側へ動く迄送り込みます。 |
05)チルトモーターブラケットとステアリングモジュールブラケットのリンクカバーを開放する。
黄色円のスクリューを外す。最後まで回し、スクリューを完全に取り除きます。 |
06)リンクカバーを引き上げ、シャフトを垂直にします。
マイナスドライバー等で、リンクカバーを上側へ持ち上げます。 チルトモーターブラケットとステアリングモジュールブラケットのリンクが切り離されます。 シャフトを垂直にして、ロワユニットをDeployポジションにセットします。 |
07)チルトモジュールブラケットのEリングを外す。
マイナスドライバー又はラジオペンチで、Eリングを取り除きます。 外す際に勢い余って飛ばして無くさない様、注意して下さい。 |
08)トリムモジュール後方のEリングも外す。
マイナスドライバー又はラジオペンチで、Eリングを取り除きます。 |
09)チルトモーターを外し、ブラケットを回します。
シャフトを垂直にして、Deployポジションにします。 チルトモーターブラケットは、後方約45度でSTOWポジション、前方45度でDeployポジションとなります。 前方45度のDeployポジションになる位置迄回転させて調整します。 |
10)チルトリンクカバーを取り付ける。
ステアリングモジュールブラケットと、チルトモーターブラケットの角度がピッタリ合う位置で、チルトリンクカバーを嵌め込みます。 ゴムハンマーで少しずつ叩いて嵌め込みます。ネジ穴のクリアランスも確認しておきます。 |
11)チルトリンクカバーを固定する。
プラスドライバーでスクリューを取り付けます。 |
12)プーリーリリースナットをロックする。
リリースナットを時計回りに1/4締め込み、ロックします。 |
13)トリムモジュールの上蓋を取り付ける。
全てのスクリューを締め込みます。 この時、強く締め込み過ぎると、防水シリコンシールが潰れたり、破損する可能性があります。適度なトルクで締めこんで下さい。 |
14)コマンドの実行
センターパネルにある電源ボタンによるコマンドを実行します。 ここからは、全て電源ボタンのみのコマンド操作となります。 |
【注意事項】
コマンド後、TRIM動作(上下)が開始されます。手、指等が挟まれると大怪我をする恐れが有ります。動作クリアランスを十分確保して下さい。フルトリムアップしますので、室内で作業する場合、シャフト長に応じた高い天井高が必要となります。家屋、設備、車両等への接触によりULTERRA本体ばかりでなく、周辺物を破損させる恐れが有ります。十分ご注意下さい。
15)緑色LEDが点灯する迄、電源ボタンを長押し(約5秒)して電源Onにする。
電源が入っていた場合は、一旦Offにしてから電源を入れ直して下さい。
(LED赤く1度光り、その後、緑色に点滅します。)
(LED赤く1度光り、その後、緑色に点滅します。)
16)電源ボタンを長押しして電源をOffにします。
17)再度電源Onにします。
18)3秒待ってから電源ボタンを、『2秒間に3回』押します。
17)再度電源Onにします。
18)3秒待ってから電源ボタンを、『2秒間に3回』押します。
この時、素早く3回押してしまうと失敗します。急がず、確実に3回押して下さい。
19)下記の動作を確認(目視確認のみ)
→ロワユニットが目一杯上方へトリムアップします。
→約15cmトリムダウンして停止します。
*動作しない場合、再度(15)からやり直す。
→約15cmトリムダウンして停止します。
*動作しない場合、再度(15)からやり直す。
20)通常操作が可能になります。
LEDが緑点滅から、緑点灯に変われば正常です。
【注意事項】
STOW操作後、モーターの向きがSTOWポジション(横向き)にならない時は、STOWポジションの調整も必要となります。
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