ミンコタアイパイロット、ミンコタ部品販売の専門店EASTLAND MARINE Ltd.,Co.

 

新型BTアイパイロットと旧型Non-BTアイパイロットの違い

BLUETOOTHアイパイロットとNon-BTアイパイロットどこが違うの?!
あまり変わらないからNon-BTでも良いってホントなの?!


WEBに販売サイト、個人サイト含め、ユーザーを惑わす様々な情報が出回ってます。ここでは、BLUETOOTH対応アイパイロットユニットと非BLUETOOTHアイパイロットユニットの違いについて解説します。

◆略号について
BT BLUETOOTH仕様のアイパイロットユニット(2017年以降)
Non-BT 非BLUETOOTH仕様のアイパイロットユニット(旧型)
 
1.どっちを買うべき?!
 
Q:『アイパイロットはBTとNon-BTどっちがいいの?』
A:『迷う事は全く有りません。BT型を買いましょう!』

アイパイロットユニットBT型とNon-BT型の外観の違いはコチラ
 
1)新品購入検討の場合
 
迷う必要は有りません。今はBLUETOOTH型しか製造されてません。末永く使いたいければBT型一択です。

現在、メーカーが製造しているアイパイロットモーター本体は、BLUETOOTH型のみです。性能差は後述するとして、総合的に考え、BLUETOOTH型一択です。後悔しない為に、絶対にBLUETOOTH型をお買い求め下さい。

修理用パーツとして、アイパイロットユニットNon-BTとNon-BT用リモコンは、今の所、継続販売されております。これらを組み込めば、旧型本体を販売店側で組み立てる事は可能です。

しかしながら、毎年買う様な安い物でも無く、どうせなら長く(永く)使いたくないですか?!

既にNon-BT用のマイクロリモコンは2020年で製造終了、その他細かいパーツにおいても製造終了品が有ります。先細りの機種では無く、絶対にBLUETOOTH型を買いましょう!

2)中古品購入検討の場合
 
予算的に苦しいから中古品にしようかなと考える事は不思議ではありません。しかしながら、余程、ご自身での分解整備等に慣れている方でも無ければ、少し無理してでも新品購入をお勧めします

中古で探すのであれば、断然故障の少ないBLUETOOTH型です。外観での見分け方に関してはコチラを参考にして下さい。性能差に関して、後述の2をご参照下さい。

下記表記の中古品は自分で分解整備出来る方以外は、絶対お勧めしません。
【使用回数少】 → 使用回数超多いなんて書く人居ます?
【程度良好】 → 判断基準は? 程度悪って書く人居ます? 
【整備済】 → 誰が、どこまでやりました? 内部の状態は?

万一買ってしまった場合でも下記の様な依頼は多く、受付しております。
『中古整備品を買ったが、調子悪いので点検出来ますか?』
『オークションで買ったら動かなくなりました。修理出来ますか?』
『オ−クションで買った物を安心して使える様に整備出来ますか?』

全てのミンコタユーザーへの部品販売や、修理メンテ、技術情報を提供しておりますので、この様な修理も毎週何台か行っております。しかしながら、中古品で『これは掘り出し物ですね!』『良い買い物しましたね!』という事は皆無です。プロが見ても外観では整備状況がわからず、分解するしかありません。非常にリスキーな買い物です。

これは残念ながら業者販売(会社、個人事業含む)でも多々発生しております。特にロワユニットをコーキングしてある物は絶対に買うべきでは有りません。正しい知識で整備すればコーキングは絶対不要です。コーキングされている個体は、後日漏水する可能性を抑える為に、無整備で売っている物と考えましょう。

 

2.BT仕様とNon-BT仕様の性能差
 
Q:『BTとNon-BTは大して変わらないと聞いたけどホント?』
A:『いやいや、全然違います。性能差有り過ぎです。』
 

まず、簡単に重要ポイントだけ言えば、下記特徴となります。(極一部の抜粋)

***
1)壊れにくい(コレ重要)
2)GPS精度が抜群に向上
3)電力消費少(コレ重要)
4)【一時的なスポットロック】と【お気に入りポイント登録】が分離された事
5)ヘディングンサー使用可能*
  *TERROVA、ULTERRAは標準装備、POWER DRIVEはオプション。
 
1)BT型は壊れにくい
 
低電圧(=過電流)は様々な箇所を破損させますが、BT型になり、アイパイロットユニットの基板焼けは少なくなりました。特に当店御購入のお客様においては、EASTLAND MARINE別館(旧・みんこたふりーく別館)を熟読頂いている事もあり今の所皆無です。

2)BT型はGPS精度が向上(=実はこれが次項目の電力消費少と一心同体です)
 
BT型になり、アイパロットシステムの演算処理自体が超高速化しました。

BT型の『GPS精度の向上』は、実は、GPSの精度が上がっているのでは無く、実は演算処理の速さなんです。スポットロック(定点維持機能)を例にすると、【最初に設定した位置】と【現在の自船の位置】の2点を認識し、元の設定位置へ戻る動作を行います。この補正処理が高速化した事により、位置補正の頻度がほぼリアルタイムになった為、BT型はNon-BT型とは比較にならない程進化しております。

これは理論上だけでなく、実際のボート上で目視体感可能です。


◆Non-BT型の動作

 
同一時間でのNon-BT仕様の動作航跡イメージ(GPS魚探の航跡記録で確認可能)
Non-BT型は、2〜3秒間隔で位置補正をします。凪なら大きな差は出ませんが、2〜3秒間隔ですと、少し風が有れば海上ですと大きなズレが生じます。ここから動作が始まり、元の位置に戻る為、速力を上げて戻って停止します。再び流されてから速力を上げて慌てて戻る動作となり、図の様なイメージとなります。
 
◆BT型の動作
同一時間内でのBT仕様の動作航跡イメージ(GPS魚探の航跡記録で確認可能)

BT型は、常時位置補正と言っても過言で無い程の頻度で常に補正を行います。極短い間隔でほぼ常時補正する事により図の様に極狭いエリア内のみに集中した動作航跡を描きます。これらは、GPS魚探の航跡記録をOnにしておけば、確認可能です。

動作を実際に観察していると、風の有る状況では、プロップの回転は小さな音しか聞こえませんが、ステアリングは左右に忙しく動きます。
 
3)電力消費が少ない
 
実はこの電力消費に関しては、前掲の(2)と表裏一体であり、全く同じ意味となります。

『BT型は常時補正で動き続けるから電力消費が多い』なんて言ってる方は居ませんか?! 全く逆です。プロップ回転が上がってしまうNon-BTの方が圧倒的に消費電力が大きくなります


◆ステアリングの電力消費は少ない

 
忙しく動き続けるステアリングを見てるだけでも、電力消費が多そうですよね。でも、実は無負荷で0.2-0.5A、負荷を掛けると少し上昇しますが、1A行かない程度なので、これは無視して良いレベルなんです。

◆推進プロップの電力消費は非常に多い
 
省電力運行するには、プロップ回転を低く維持出来るかに掛かっております。

もうおわかりですよね?

位置がズレてから、大きく補正する動きより、常時、定点をほぼ維持し続けた方が、修正に費やす電力消費量は少なくなります。

また、モーター回転は速くなればなるほど、『正比例して消費電力が上昇』ではなく『速くなれば速くなる程、正比例以上に曲線を描いて急上昇します。この事からも、演算速度高速化による常時補正が、消費電力上いかに有利かは推測がつくかと思います。

 
高速道路の燃費にも似てますね。一般的なオートクルーズや、スバルアイサイト、欧州車のレーダークルーズなどの自動運転による定速走行は、回転が安定し、非常に燃費が良くなります。人間が運転する場合、多かれ少なかれ緩い登り坂で自然に速度が落ち、またアクセルを踏んで加速する為、とても燃費が悪くなりますね。

4)スポットロックの【一時記録】と【お気に入りポイント記録】が分離
 

BT型アイパイロットも、とりあえず錨マークを押せば、スポットロックは使用可能です。通常これを一時記録(Temporary Spot Lock)と言います。リモコンには、【SL-tmp】と表示されます。 

◆餌釣りの方は絶対BLUETOOTH型がオススメ!

 
餌釣りの方は、スポットロックを使われる方が多いかと思います。

お気に入りの根などをいくつか移動しながら釣る事が多いのでは無いでしょうか? そういう方には、ポイント記録が16箇所も可能なBT型アイパイロットはかなり重宝する筈です。

◆スポットロック番号をGPS魚探のポイント名に使うと超便利!
 
16箇所のポイントは、SL01〜SL16というポイント名で記録されます。何番にどのポイントを記録するかも任意で選択可能です。この名前(SL-番号)をGPS魚探の登録地点名に登録しておくと、ポイント迄エンジンでアプローチし、GPS魚探の地図に出ている地点名(SL01-SL16)をアイパイロットリモコンで選択、指定すれば、お気に入りポイントに正確に自動運転で進入する事が可能になります。

更に、根に対する潮の当たる方向の変化により、ジョグ機能を使用して、前後左右方向への相対的微調整も可能です。これに関しては、EASTLAND MARINEオリジナルのアイパイロットリモコン操作説明書を参考にして下さい。

◆Non-BTは原則【一時スポットロック】専門
 
旧型Non-BTの場合は、A〜Fの6箇所の記録(更に初期型アイパイロットはA〜Cの3箇所)は出来たんですが、6箇所のポイント記録と一時スポットロックが機能として分かれておりませんでした。例えば3箇所のお気に入りポイントが各々A、B、Cに記録していたとします。魚探の良い反応を見て、慌ててスポットロックを使用し、チャンネルをD〜Fに切り替えなければいけない所、忘れてしまいそのままスポットロックを行う、上書きされ、元のポイント記録は消えてしまいます。これは大きな欠点でした。

現実的には、6箇所記録と言いながら、実はお気に入りは5箇所、一時記録用に1箇所という事になります。この時代は、6箇所を切り替えながら使用出来ていた人はあまり居なかったと予測します。

◆ポイント記録に関するまとめ
 
記録ポイント数
スポットロックに関する特徴
Non-BT前期型
3
ポイント記録は実質あまり使えない。
一時的なスポットロックなら問題無し。
Non-BT後期型
6
BT型(最新型)
16
一時スポットロック、ポイント16箇所記録ともしっかり使い分けが出来て、誤った上書きも無く、非常に使用し易い。
 
 
5)ヘディングセンサーの使用でパワーアップ!  

ヘディングセンサー標準装備  : ULTERRA BTTERROVA BT
ヘディングセンサーオプション : POWER DRIVE BT(追加購入で使用可能)

 
◆スポットロック+ヘディングセンサー
 
更に、ヘディングセンサーを装備していれば、自船位置のバウを【前】として、相対的に前後左右へ約1.5mずつ自動移動出来る【ジョグ機能】を使用する事も可能になります。近年のピンポイントな鯵釣りには最強の機能です。

◆アドバンストオートパイロット+ヘディングセンサー
 
別ページで説明予定ですが、実はアイパイロットユニットは、AP使用時も含め、方角を認識出来ません。認識出来るのは地球上の『点』のみとなります。『点』であれば複数認識可能です。車のナビゲーションの様に、船がどの方向を向いているのか、アイパイロットヘッドユニットがどっちを向いているかは認識出来ておりません。

このアイパイロットに正確な方角情報を常時送信するのがヘディングセンサーです。これにより、徐々に方角が狂ってしまう事のあったアドバンストオートパイロットが、GPS魚探の航跡記録で定規で引いた様な完全な直線を描いてラインをトレース出来る超正確なオートパイロットに進化した訳です。

*ヘディングセンサー無しの場合、徐々に方角が狂って行きます。
 
いかがでしたでしょうか? アイパイロットの事を少しでも理解して頂ければ嬉しいです。良く使う機能の違いを記しましたが、機能差はまだまだ沢山有ります。詳しくは下記のリモコン取扱説明書をご覧ください。

アイパイロットに関する下記機能に関しては、EASTLAND MARINEオリジナル操作説明書をご覧下さい。





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